ボトックス治療（痙縮治療など）
痙縮や顔面けいれんなどの治療に効果的です。
当院では、痙縮や片側顔面けいれんなどに対し、ボトックス治療を行っています。ボトックス治療は、ボツリヌストキシンを有効成分とするお薬を患部の筋肉に注射することで痙縮やけいれんの改善を図る治療法です。ボツリヌストキシンには筋肉が収縮する力を抑える作用があり、次のような効果が期待できます。
ボトックス治療の効果
- 手足の筋肉・関節が動かしやすくなることで日常生活がしやすくなります。
- 痙縮による痛みをやわらげる効果が期待できます。
- 関節が固まって動きにくくなったり、変形するのを防ぎます（拘縮［こうしゅく］予防）。
- リハビリテーション（ストレッチ・歩行訓練など）を行いやすくなります。
- 介護の負担軽減が期待できます。（着替えの補助、衛生ケアなど）
痙縮（けいしゅく）とは？
脳卒中や脳梗塞の後遺症でよく見られる運動障害（機能障害）の1つで、筋肉が緊張し手足が動きにくかったり、勝手に動いてしまう状態のことです。要するに「筋肉のつっぱり」です。主だったものには下記のような症状が見られます。
痙縮の状態が長く続くと歩行など日常生活に支障が生じる以外にも、筋肉が固まり関節の運動が制限されるため筋力低下なども引き起こしてしまいます。リハビリテーションの障害となることもある為、早めに痙縮治療が必要となります。
ボトックスについて
ボトックスとは、ボツリヌス菌から抽出されたタンパク質の一種で、ボツリヌストキシンと呼ばれます。ボツリヌストキシンには、筋肉の動きや汗の分泌に関わるアセチルコリンの放出を阻害する働きがあります。近年ではこの働きを利用し、様々な医療分野で活用されています。
ボトックスの成分は天然のタンパク質です。
主成分である「ボツリヌストキシン」は、ボツリヌス菌（食中毒の原因菌）が作り出す天然のタンパク質です。ボツリヌス菌と聞くと危険な気がしますが、ボツリヌス菌そのものを体内に注入するわけではないのでご安心ください。
ボツリヌストキシン注入の効果
ボツリヌストキシンが筋肉に作用すると、筋肉を緊張させている神経の働きを抑える効果があります。そのため筋肉の過剰な収縮を抑えることができ、患部が動かしやすくなるのです。 また、ボトックスの効果は永久に続くものでは無く大体約3ヵ月〜6ヵ月で失効しますので、数ヶ月毎にボトックス注射を継続させることがこの治療法の基本となります。
ボトックス治療は保険適用対象です。
ボトックス治療は脳卒中などに由来する痙縮や片側顔面けいれん・眼瞼けいれん治療などの場合、保険適用対象となります（厚生労働省認可）。ただし、ボトックスの使用量により自己負担額が異なりますので、ご希望の方は当院スタッフまでお気軽にお問い合わせください。